今年の6月の話になりますが、ドライバーサービスの常連さんで在オランダ歴30年越えのアムステルダム在住、僕と同じ関西出身のNさんのお嬢さんが、ご結婚されるということで、結婚式当日のめでたい日にドライバーサービスのご依頼を頂きました。

当日は、やはり正装ということで、念の為日本から持って来たもののオランダに来てから一度も袖を通すことのなかったスーツやネクタイを引っ張り出して、中年太りに拍車がかかったブヨブヨのヒドいボディで久々に着衣を試みましたが、数年前まで履けていたズボンの留め具が届きません。

何着か試すと一着だけ留め具がスライドするタイプの夏用スーツのズボンが何とか履け、選択の余地なくそれに決まりました。

しかしオランダの結婚式は一体どんなものなのか?ありがたい機会を頂きました。

結婚式当日、まずはご依頼頂いたNさん宅に指定されたお昼頃到着すると、ご親戚やお嬢さんのお友達が車の両サイドミラーにお花の装飾を施してくれました。

ちなみにNさんは日本人、旦那様はオランダ人で、お嬢さんはお二人の良いとこ取りをした長身の美人さん。

旦那さんになる方はドイツ在住のセルビア人の獣医さん。

このままオランダに住み続ければ、うちの5姉妹も出会いと別れを経て、誰かと結婚すると仮定すれば、お相手は日本人ではない可能性の方が高いですよね。

孫ができたと仮定すれば一体どういうことになるのでしょうか?5姉妹いますからまたそれぞれ、それもまた興味深いです。

オランダの一般的な結婚式は、花嫁は自宅で母親や親戚、友人などに手伝ってもらいながらメイクしウェディングドレスを纏い、花婿は花嫁に捧げるブーケを携えて花嫁の自宅へ車で乗り付け、式場へ向かう慣わしで、花婿は花嫁を迎えに行くまで花嫁がどの様なドレスで現れるか知ってはならないとか。

花嫁の家のドアには今日が結婚式だということを知らせる為の装飾が施してあり、気付いた近所の住人が祝福に訪れてくれるのだそうです。

そして一通り家の前での撮影会を終えると花嫁を乗せた車が先頭で、親や親戚や友人などが後続します。

僕は花嫁の母親であるNさんはじめ、花嫁の祖父、Nさんの妹さん夫婦と花嫁の幼なじみの友人を乗せて付いていく役割を仰せつかりました。

式場までの約10kmほどの道を走りながら時折あえてクラクションを派手に鳴らし、道行く人にこれから結婚式があることをアピールするというのが今風だそうで、時々クラクションを鳴らすよう言われるのですが、初めて聞く文化に半信半疑のおっかなびっくりだったのは言うまでもありません(笑)

そう言えば、オランダに来てから2~3回、装飾を施した車の列がクラクションを鳴らしまくり、若者が歓声をあげながらハコ乗りで行進していくといった状況に出くわしていましたが、うるさくて迷惑極まりなく、「オランダにも暴走族みたいなのがおるんかいな」と思っていたのですが、あれが結婚式だったとは!

元来温厚な僕としては、今度はその当事者として突然道端でクラクションを鳴らす行為には抵抗を感じずにはいられませんでしたが、道行く人達はクラクションと車の装飾に気付くと「おめでとう!」という言わんばかりの表情でした。

結婚式場はアムステルフェーンにあるPaardenburg、通称「天使の足」と呼ばれる素敵なレストランで、300年以上前からある建物だそうで、レストランとなる前は長旅で疲れた馬を休ませて、他の馬に乗り換えるという馬舎だったそうです。

そこに行くまでの道中にNさんからいろいろ教えて頂きました。

オランダの結婚式は宗教心のある方は教会で挙げるそうですが、地方自治体によって結婚式場として登録されているレストランやカフェなどに友人・知人を集めて行われることも多く、周りの親族・兄弟などの立会いの元、牧師さんではなく、役所登記官の前で婚姻届に連名でサインをして受理されるそうです。

会場のレストランの中庭にイスなどがセッティングされていて、両家の近しい関係者が思い思いにイスに座り、センターの牧師さんのポジションで役所登記官が司会し、新郎新婦が並んでセンターにいるといったオーソドックスな形でした。

全編オランダ語なので、ちょっと何言ってっかわからないっす(by サンドウィッチマン)だったのですが、二人の馴れ初めをジョークを混ぜながら紹介したり、お祝いの言葉や指輪交換、調停式などを経て、二人で観客の間を歩く際、Nさんならではの日本式アレンジでライスシャワーの替わりに小さな折り鶴を用意されていたのが印象的でした。

新郎新婦の歩いた跡に散らばる折り鶴達は芸術的でした。

一通り式が終わるとレストランの従業員さんたちが動き始め、そのまま軽いティーパーティーが始まりました。

参列者たちは思い思いのドリンク片手に新郎新婦に直接お祝いの言葉をかけたり、両親たちは挨拶回りをしたりします。

驚いたのはBGMもなければ、司会もいないこと!

てっきり先程の役所登記官が司会進行するものだと思い込んでいましたが、既にその姿はなく、司会も音楽もないティーパーティーはなんとなく時間が流れて行き、突然花嫁の兄、Nさんの息子さんがスピーチを始めたり(これまたオランダ語だったので内容はまったく分かりませんでした。)ケーキが運ばれて来て、司会のない中、新郎新婦のタイミングでケーキカットが行われたり。

これは成立しているのか?と思わずにはいられませんでしたが、参加者皆がそういうもんだとでもいう雰囲気だったので、何となくそれらしく時間が過ぎて行きました。

そこは幸せな二人を祝福する、何とも言えない穏やかな時間だけが流れている空間でした。

ティーパーティーが何となく終わり、そのままそのレストラン内で今度は両家の親族と近しい友人・知人達とで披露パーティーが行われるとのことで、着物から洋服に着替える為にNさんを一度自宅に連れて行き、また会場に戻り任務完了です。

花嫁はドレスから着物に着替えられたそうで、着付けには先日お世話になった、国際結婚を考える「かもめの会」代表・日本チューリップ学園創始者でもあるKさんがいらしており、自分自身たかだかまだ在蘭2年足らずでしたが、長くオランダに馴染んでいる様な気がして嬉しく思いました(笑)

その後、Nさんから後日お聞きしましたが、結婚披露の宴は深夜2時頃まで続いたそうで、前日のお昼から10数時間ぶっ通しの結婚式だった様です。

残念ながら先日お亡くなりになられた花嫁の祖父も、ダンスを踊ったり最高のお孫さんの結婚式だった様です。

めでたいことには終わり時間は決めないのがオランダ式なのか、分刻みで司会が進行していく日本の結婚披露宴とはかけ離れた自由さと緩やかさいうのが印象的でした。

後日花婿の出身地であるセルビアでも盛大な結婚式を執り行ったそうです。

若きお二人よお幸せに!

カテゴリー: イベント

Tomo Murakami

英語できない、手に職もない村上家の主、4姉妹のパパが2016年10月末より無謀にもオランダに家族で移住し、2018年4月オランダで5人目の女の子が生まれた奮闘記録第二章

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